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LGBTQ+に関する社会課題を解決するために ~志を一つに企業が集う勉強会を開催~

皆さん、こんにちは! パナソニック コネクト、From the Inside編集部です。
パナソニック コネクトの取り組みを内側からレポートする当シリーズ。
今回は2024年2月27日に実施された LGBTQ+の企業横断勉強会「レインボービジネスネットワーク」の様子をお届けします。

「LGBT理解増進法」成立をはじめとした、LGBTQ+に関わる制度・施策についてメディアで取り上げられる機会が増えるとともに、様々な議論が巻き起り、LGBTQ+に対する注目度が大きく高まった2023年度。

特定非営利活動法人 東京レインボープライド(以下、東京レインボープライド)が毎年4月に開催しているイベント「東京レインボープライド※」においても、23年度は約24万人動員(パレード参加者約1万人)と過去最大規模で開催され、「現状を変えなくてはいけない」という世の中の意識が高まっていることがわかります。

※LGBTQをはじめとするセクシュアル・マイノリティの存在を社会に広め、「”性”と”生”の多様性」を祝福するイベント。パナソニック コネクトの、東京レインボープライド 2023参加の様子はこちら 

注目度が高まる今、具体的に「変える」にはどうしたらよいのか。
日経 BP 総合研究所 人的資本経営フェローの一木 裕佳さん、東京レインボープライド・フリー株式会社の吉村美音さん、パナソニック コネクトCMO兼DEI推進担当の山口さんの想いが企画となり、企業ができること・変えなければいけないことについて一緒に考える、そんなALLY(アライ)企業のつながりの場として“レインボービジネスネットワーク”が発足しました。

※ALLY(アライ): LGBTQ+当事者の味方として共に行動する人々の総称。

第一回目の勉強会の会場となったパナソニック コネクト本社(東京都中央区銀座)には、約70社の企業から約120名という大勢の方にお越しいただき、多くの企業において、LGBTQ+理解促進が急務であると認識されていることが分かります。
食品メーカーや不動産会社、エンターテインメント会社など、業種も様々!

当日の会場受付の様子

東京レインボープライド・フリー株式会社の吉村美音さんを全体司会として、東京レインボープライドの杉山文野さん、株式会社 電通 電通ダイバーシティ・ラボ DEIコンサルタントの中川 紗佑里さん、NPO法人プライドハウス東京の五十嵐 ゆりさんをゲストとしてお招きし、講義やディスカッションを展開していただきました。

東京レインボープライドの杉山文野さんより、当事者として企業に求めること、そして、パナソニック コネクトCEOの樋口さんから、当社のDEIについて紹介いただくところから、勉強会がスタート。

杉山さんからは、日本におけるプライドパレードの歴史や、性的マイノリティに関する法整備がG7のなかで最も遅れている日本の状況などが紹介されたほか、東京レインボープライドの国内外の活動が共有されました。
東京レインボープライドの主なミッションは、
①可視化:多様な性のあり方と、それに関わる課題を見えるようにし、理解を促進する
②場づくり:多様な性をもつ人たちの交流のハブとなり、全国へ、世界へ、未来へと、LGBTQ+コミュニティをつなげる
③課題の解決:アドボカシー活動を通じて、LGBTQ+に関する社会課題を解決する、
の3つ。積み重ねてきた活動によって、この10年間で、「東京レインボープライド」イベントの参加者は、4,500人から24万人に増加したとのこと!

東京レインボープライド 杉山文野さん

続いて樋口さんから、パナソニック コネクトがDEIを推進する目的が語られました。
企業の存続には「人権の尊重」と「企業競争力の向上」が欠かせず、LGBTQ+当事者を含めたすべてのCONNECTer(パナソニック コネクト社員)がイキイキと活躍できるカルチャーを作ることが、イノベーションを創出し、企業を成長させます。
そのために、パナソニック コネクトが企業文化を大切にし、先進的な取り組みにチャレンジし続けていることを紹介しました。

パナソニック コネクト CEO 樋口さん

その後、東京レインボープライド・フリー株式会社の吉村さんもファシリテータとして加わり、杉山さんと樋口さんのディスカッションパートに。
お互いへの質問や、勉強会参加者からの質問に答えていただきました。

東京レインボープライド・フリー株式会社 吉村美音さん

「どのように組織を変えてきたのか」という杉山さんからの質問に対して、「どのように変わりたいか、というto beの姿を言語化して、我々はこうなっていくのだという想いを皆に共有し、そのためのステップを重ねていくことが大事です」と樋口さん。
「改革の成功にかかっているのはリーダーのトーンセッティングが8割9割です。自分が実現したいと思っているカルチャーを、リーダー自身が体現していないと何も変わりません」

今度は、樋口さんから杉山さんに「当事者にどのような配慮が必要か」を質問。ビジビリティが低い故に周囲が気づかず、無意識に傷つけているようなことがないか、アドバイスをいただきます。

「様々な当事者がいるので、特別扱いして欲しいというわけではないのですが」と前置きしたうえで、杉山さんが話題に挙げたのはトランスジェンダー当事者のトイレやお風呂の問題。
「トイレに行く、という当たり前のことを、訴訟を起こさなければ実現できない人生というのがどれだけ過酷かということを、少しでもいいから想像していただきたいです。そんな状態では仕事に集中できないですよね。そういった目線で想像して、企業としてできることを考えることが大切だと思います」

そのときに大事になるのは、「真の意味での中立とは何か」であると杉山さんは語ります。
シーソーの両端に、体重の重い人と軽い人が座った例え話を挙げ、体重の重い人を立場が強い人、軽い人を立場の弱い人と想定した場合、シーソーの傾きをなくし、公平を実現するためには、第三者がどこに座るべきかを問いかけました。
「中立の立場を主張する人は、シーソーの真ん中に座りますが、そうなると、シーソーの傾きは変わらない。重い人たち、立場の強い人たちに傾いたままなんです。軽い側、立場の弱い側に寄り添って座らないと、シーソーの傾きはなくならない、世の中は変わっていかないということを意識していただきたいですね」

最後に、お二人へ向けて、勉強会の参加者から事前にいただいていた「経営層・中間管理職層に問題を認識してもらうにはどうするべきか」の質問が。
「意識の高い人の傾向としては、海外生活や外資系企業への所属など、多様性のある環境で過ごした経験や、当事者の方が身近にいるといったことがあると思います」と樋口さん。
「そういった経験がない人にも、自分の身近な人、同僚だけでなく子供や兄弟が当事者だったら、という想像をしてもらうことが大事かと思います」
杉山さんも「一回伝えたからと言ってパッと相手の意識を変えられるわけではないですね。根気よくコミュニケーションをし続けること、伝えることが大事です」と頷きました。

ディスカッションパートの後は、電通ダイバーシティ・ラボ DEIコンサルタントの中川さんより、LGBTQ+調査2023の調査結果が共有されました。

異性愛者であり、生まれた時に割り当てられた性と性自認が一致する回答者以外を「LGBTQ+当事者層」と定義した場合、当調査における当事者の割合が9.7%であったことが初めに共有され、その割合の高さに、会場の空気がより引き締まります。

ほかにも、LGBTQ+関連の法律に関する項目で、同性婚の法制化に賛成する人の割合が8割近い結果が出ていることや、LGBTQ+と企業に関する項目で、LGBTQ+当事者層だけでなく、非当事者層においてもLGBTQ+フレンドリーな企業への就業意向が高く、また、LGBTQ+支援を表明する企業は社会変化に強く従業員が働きやすいイメージが持たれる傾向があることなどが紹介されました。

参加者の皆さんが熱心にメモを取ったり、資料を撮影したりしている姿が印象的で、この勉強会での学びを自社に持ち帰って活かしたいという気持ちを強く感じます。

最後のパートでは、プライドハウス東京の五十嵐さんと、パナソニック コネクト取締役 CMO兼 DEI推進担当の山口さんから、共同で計画しているLGBTQ+理解促進のための取り組みについての紹介と、皆さんへの参加の呼びかけが。

すべての人が、性のあり方によって取り残されることなく、 平等に、すこやかに生きられる社会づくりに貢献し、さまざまな分断を超えるための希望と経験を創出することをミッションとするプライドハウス東京。LGBTQ+などの性的マイノリティに関する情報発信を行うホスピタリティ施設を設置し、多様性に関する様々なイベントやコンテンツの提供活動を行っており、パナソニック コネクトは2023年度から協賛という形で連携をしています。

LGBTQ+の問題に既に関心がある人だけでなく、その周囲の無関心層の人たちまで巻き込んでいくことが社会を変えていくために大切であると五十嵐さんは語ります。
「いま出来ていないことを批判しあうのではなく、具体的にどういうことをして行けばよいか、みんなで考えるきっかけづくりをしていけたらと思います」

NPO法人プライドハウス東京 五十嵐 ゆりさん

「当事者の方々の悩みは、一企業だけの取り組みで解決できるものではありません。社会を変えていくには、より多くの企業の皆様とつながって大きなネットワークになり、一緒に行動を起こしていくことが大切だと考えています」と山口さん。
「企業から変わる、企業から変える」ことの意義を呼びかけました。

パナソニック コネクト取締役 CMO兼 DEI推進担当の山口さん

会場の気持ちが一つになったところで第一回レインボービジネスネットワーク勉強会は終了。
続けて行われた懇親会では、参加者同士が積極的にコミュニケーションを取りあい、お互いの企業で実施しているDEI活動や制度についての情報交換など、今後の連携に向けたネットワーキングが会場のいたるところで行われていました。


勉強会に参加いただいた方々の人数の多さはもちろんですが、ゲスト講義を聞くときの真剣な眼差しや、自社の現状を変えたいという想いを懇親会で共有してくださったときの熱量に、「社会を変えたいと思っている仲間がこんなにいるのだ」と胸が熱くなった取材でした。
次のレインボービジネスネットワーク勉強会も数か月以内に開催予定です。

今回得ることのできた貴重なつながりを今後も活かし、多くの企業のみなさまと一緒に、社会を前に進めていくための活動を続けていくパナソニック コネクトの姿を、これからも発信していきます!


社会のLGBTQ+の理解促進および平等の実現のため、パナソニック コネクトは東京レインボープライドとプライドハウス東京に協賛しています。

協賛・ブース出展 | 東京レインボープライド2024 (tokyorainbowpride.com)
★東京レインボープライド2024は2024年4月19日(金)-4月21日(日)に代々木公園にて開催予定。プライドフェスティバル、プライドパレードが行われます。

プライドハウス東京 - PRIDE HOUSE TOKYO JAPAN 2020 -









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