見出し画像

インパクトの大きい成長を追求する、グローバルエンジニアの原動力

それぞれの働く現場でいきいきと活躍する社員を紹介する「Meet the CONNECTer」。今回はアカデミアで地震の研究に励むことを目標としていたなかで、自らの世界をより広げていきたいとパナソニック コネクトに入社し、技術者として邁進する張 大維さんに登場いただきます。研究への想い、パナソニック コネクトでの仕事、業務外の活動などを伺うなかで、すべての取り組みの根底には張さんの揺るぎない信念があることが分かりました。


張 大維
台湾の国立中央大学を卒業した2016年、東京大学大学院修士過程に入学。修士課程・博士課程修了後、2022年パナソニック コネクトに入社。現在は技術研究開発本部 知能システム研究所 知能システム研究部にて、汎用的な予測基盤モデルの開発に従事している。



アカデミアではなく企業を選んだワケ

編集部:張さんが日本に来られたきっかけは何ですか?

張:日本に来たのは2016年です。東京大学大学院の修士・博士課程で、地震の研究に取り組むことが目的でした。もともと私は旅行で訪れた土地の自然の成り立ちや歴史的背景への興味から学術の道を志し、母国台湾の大学で地球科学を学んでいたのですが、2016年にマグニチュード6.4の台湾南部地震が発生。建物の倒壊などによって死者は117名、負傷者は550人にのぼり、台湾には甚大な被害がもたらされました。

そのとき、今後起こるかもしれない地震の被害を最小限に抑えるため、自分にできることがしたいと強く感じたのです。地震の防災力に優れた日本で学べば、何かが分かるかもしれない。そう考えた末、東京大学への留学を決意しました。博士論文では繰り返し起こる地震の発生メカニズムを解明し、地震を分析する新しい手法も発表。安心できる暮らしを願い、全力で取り組む数年間を過ごせたことは、私の一生の誇りです。

編集部:今後、ますます研究成果の活用が期待される分野かと思うのですが、なぜアカデミアで研究を続けるのではなく、パナソニック コネクトへの入社を決意されたのでしょうか?
 
張:正直なところ、非常に迷いました。しかし自分を取り巻く世界を広げていくためにも、まずは民間企業へ入り、現場でさまざまな課題を見つけていく選択がベストではないかと考えたのです。パナソニック コネクトを選んだのは、「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」というパーパスに共鳴したからです。かねてよりサプライチェーンマネジメントにも興味があり、グローバルでプロジェクトに携われる点も魅力でした。それに私は奨学金で学ばせていただきましたので、日本で働き、日本に恩返しをしたい気持ちもあったのです。

目指すキャリアの方向性に沿ってチャレンジを続けていく

編集部:パナソニック コネクトではどのようなプロジェクトに携わってきましたか?
 
張:入社後は現場ソリューションカンパニーの配属となり、雨量や河川の水位などからダムへの水の流入量を予測するアルゴリズムの開発を担当しました。機械学習に触れたのは初めてでしたが、論文に必要な数値を算出するプログラムの開発経験などはありましたので、早々に手応えは得られたように思います。
 
翌年2023年8月にはR&D(技術研究開発本部)の知能システム研究所へ異動し、コンテナ船の予測到着時間を機械学習で算出するプロジェクトに参画しました。ダイバースなメンバーで構成された最高のチームで、メンバー全員がそれぞれのアイデアを尊重し合い、R&Dのスローガン「Think Big, Act First, and Fail Fast」を実践していましたね。大きく描いた夢の現実に向け、アイデアを即行動に移し、失敗してもそれを糧に未来へたどり着く。私はこの柔軟な考え方が大好きなんですよ。世の中の役に立っている実感が得られるのも、技術者のおもしろさだと感じています。

編集部:プログラムの開発経験があったとはいえ、ゼロからのスタートとなる機械学習技術の習得にはご苦労をされたのでは?

張:機械学習やクラウドといった、プロジェクトを遂行するうえで求められる技術の学習は必須でした。しかし大変だったという気持ちはありません。課題の解決につながる手法はできる限り身につけておきたいですし、インパクトの大きい成長を自ら取りに行く姿勢で在りたいと考えています。また、2024年にはサプライチェーンのグローバル資格「APICS CPIM」と、物流・ロジスティクスに焦点を当てた「APICS CLTD」を取得しました。とはいえ個人的には技術や知識は必要なときに学べばいいとも思っているんですね。私の強みは、世界基準で新たな視点を提供できることですから。

編集部:入社後、配属1年未満での部署異動も珍しいですね。
 
張:R&Dならば自分の個性に付随する能力を最大限発揮できるはずだと考え、自分が目指すキャリアの方向性を上司や先輩に相談しました。結果、より近いポジションへの挑戦をかなえることができました。
「Dare to be different, and stay that way.(“他者とは”違うままであれ)」。周りに追いつくための努力はもちろん必要ですが、私は自分にしか生み出せない価値の提供を大切にしています。

編集部:現在、ご担当されているお仕事についても教えてください。

張:2024年9月からは汎用的な予測基盤モデルの開発プロジェクトに取り組んでいます。最先端のAI 技術を用いて、多様なデータからより多くの情報の利用を目指す、というイメージでしょうか。あらゆる場面で応用できる技術ですので、社会に大きな影響を与えることも期待できます。現在はこれまで培ってきたデータ分析の知見を活かし、チャレンジを続ける日々を送っています。いずれパナソニック コネクトでもっともサプライチェーンに精通した人材になりたいですね。

すべての原動力は「人の役に立ちたい」という思い

編集部:張さんは通常業務のみならず、さまざまな活動を行っているそうですね。
 
張:社内のメンバーとともに成長できる環境をつくりたいと思い、パナソニックグループ全体を対象とする機械学習セミナーを主催するほか、部署内の英語座談会ではファシリテーターを担当しています。また、パナソニック コネクトを含む約20の企業が参画する異業種連携働き方改革推進コミュニティ、「MINDS(Millennial Innovation for the Next Diverse Society)」の教育×企業イノベーションプロジェクトにも参加しました。視野は広がり、キャリアの考え方に影響を受けるなど、自身の成長にもつながっています。

編集部:パナソニック コネクトが取り組むDEI関連のイベントにも、積極的に参加されているとお聞きしました。
 
張:はい、『現場からはじめる、働きやすさの未来会議「Gemba Roundtable」』をはじめ、社内のDEI活動にも積極的に参加しています。私は人と壁をつくらない性格といいますか、コミュニケーションを楽しむタイプで、肩書やジェンダー、出身といった属性を意識することもありません。加えて大学院時代は日本、さまざまな国籍の友人たちと研究に打ち込んでいましたから、自分のなかで多様なカルチャーや考えがブレンドされ、個人を尊重する多文化理解への思いがより深まっていきました。私にとってすべての人が等しく大切ですし、誰も見捨てたくない。ですのでDEIとの関わりは、自然な流れだったともいえます。

DEI活動の様子

編集部:休日はどのようにお過ごしですか?
 
張:自身のスキルや経験を活かす社会貢献活動「プロボノ」に参加し、DV被害者や医療的ケア児関連の団体への支援を行っています。私は長年日本で暮らしているとはいえ“外国人”。日本ではいわゆるマイノリティの立場を、10年近く経験してきました。だからこそ苦境に立たされている方々のために何ができるか、何をすべきかを、常に自問自答してします。
 
編集部:仕事でもプライベートでも、“誰か”のために全力を尽くされているのですね。なぜそれほどまでに頑張ることができるのでしょうか?
 
張:私の原動力は「人のために在りたい」という想いです。何かしらの課題がある以上、自分にできるアクションを起こしていきたい。研究も、仕事も、ボランティア活動も、根底にある考えは同じです。私は「お金儲けに走るのではなく、人の役に立つことに重きを置きなさい」と家族に教えられて育ちました。個人の成功よりも他人への貢献と優しさが、私の人生で一番大切なことなのです。
 
編集部:素晴らしいお考えですね。パナソニック コネクトは、張さんにとってどんな職場でしょうか?

張:チャレンジを後押ししてくれる環境だと思います。自由な雰囲気のなかで働けていますよ。一般的な日本企業とは一線を画す、柔軟なカルチャーが根付いているように感じます。
 
編集部:張さんが描くキャリアビジョンについてお聞かせください。
 
張:中国語、英語、日本語が話せる語学力を活かして、グローバルな仕事をしていきたいと考えています。そして目指すべき未来を照らし、導いていける存在になりたいです。

▶パナソニック コネクトの人をもっと知りたい方は 公式採用サイト

この記事が参加している募集