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自由な創造力を育み、伝播する中心地に ~第二回 パナソニック コネクト ハッカソンレポート~

皆さん、こんにちは! パナソニック コネクト、From the Inside編集部です。
パナソニック コネクトの取り組みを内側からレポートする当シリーズ。
今回は、2023年10月~11月にかけて開催された、パナソニック コネクト ハッカソンの様子をお届けします。

昨年2022年度に引き続き二回目の開催となるパナソニック コネクト ハッカソン。一回目はR&D部門(技術研究開発本部)内での実施でしたが、そこでの好評を受け、今年はパナソニック コネクト全社を対象に参加者を募り、様々な事業部から合計60名のCONNECTer(パナソニック コネクト社員)が参加しました。

ハッカソンにて実施する主な開発内容は、Microsoft Azureを用いたAPI開発や、.NETやJavaScriptを用いたWebアプリ開発ですが、アイデア企画や市場調査、全体マネジメントといった開発以外の分野でも活躍できるため、ソフトウェア初心者や技術者以外の参加も大歓迎!
初対面同士のメンバーが6人一組となって10チームに分かれ、チームビルディングをしながら課題に取り組んでいきます。
昨年度同様日本マイクロソフト株式会社様にも参加いただき、AzureやGitHubの使い方に関する事前セミナーの開催から、ハッカソン当日の技術メンターまで、全面的にサポートいただきました。

■ハッカソンテーマ

パナソニック コネクトが対象としている事業領域を前提とした、

①会社・個人の働きやすさの改善
②より良い暮らしの実現に向けた社会課題の解決

をチーム毎に検討し、アイデアソンからアーキテクチャ検討、インプリメントまでを実施 

■開催目的

・自分たちでアイデアを掘り起こしそれを実現することを楽しむ文化醸成
・組織の枠を超えたコネクトワイドなコミュニティー形成
・ソフトウェアケイパビリティーの向上
・Azure OpenAI ServiceやGitHub Copilotといった最新技術の体験と習得

10月のキックオフ後は、三度にわたるオンラインセミナーで、AzureやGitHubの使い方を日本マイクロソフト様よりレクチャーいただいた後に、参加者の皆さんが西門真拠点のラボに集合して、アイデアや具体的なアーキテクチャ検討を行うFtoF(対面式)アイデアソンが実施されました。

その後に行われた中間発表会では、チーム毎の状況報告に対して、チームの垣根を超えた意見交換がざっくばらんに行われ、11月8日~10日の三日間で、ついにハッカソン本番が開催!
チームごとに分かれ、日本マイクロソフトのエンジニアの皆さんのサポートも得ながら、これまでに検討してきたアイデアやアーキテクチャを実現するための設計インプリメント(機能や技術などを仕様や規格に基づいて実装・組み込むこと)を行いました。

本業でもAzureを使っている人や昨年度のハッカソン経験者が率先してチームを牽引するなど、メンバー同士で知識の継承がなされる場面が多く見られたほか、チームごとに順位を競うイベントであるにもかかわらず、自分達で解決した問題をオープンな場所で共有するなど、始終、チームの垣根を越えて参加者が常に互いを助け合う、和気藹々とした雰囲気でした。

最終日の午後からは、この二か月間の集大成となる、チームごとの最終発表会が。
家事のスケジューリングなどのマネジメントをAIが担当することで家族の負担を減らすアプリや、勤務中の自分の姿勢の状態を分析でき、姿勢が悪くなったタイミングでの通知が届くアプリなど、チームごとにユニークな発表がなされます。解決したい課題、ソリューションの概要、アーキテクチャ、今後の展開やチームワークの工夫点などが説明された後、その場でデモンストレーションが行われました。

直前まで改善を重ねたため、本番で上手く作動するかドキドキというチームもあったものの、全てのチームのデモンストレーションが無事に成功し、会場からはお互いの健闘をたたえ合う拍手が。
その後、日本マイクロソフト株式会社の酒井さま や、パナソニック コネクトのCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)で技術研究開発本部 マネージングダイレクターである榊原さんの講評に進み、実現可能性や、ユーザーの使いやすさといった視点でコメントやアドバイスをいただきました。

全てのチームの発表が終了後、審査の時間を経て、全体の講評や表彰式が行われ、最優秀賞が発表されました。
日本マイクロソフト株式会社の酒井さまからは、「参加者の皆さんが初日から積極的に手を動かしていて期待が大きかったのですが、最終発表はその期待を超える内容で、とてもワクワクしました!」との嬉しいコメントをいただき、榊原さんからも、「昨年よりレベルが上がっていて、普段の仕事のノウハウをハッカソンでどのように活かし、短時間で効率よく行うか、という点を実践してもらえていると感じました」との講評が。

最後は、様々な事業部から参加した参加者に対しての、「この経験をそれぞれの事業部に持ち帰って、技術や営業など、さまざまな仲間に、こういう経験によって我々が技術を学び、成長しているということを伝えてもらいたいです」という榊原さんの挨拶で締めくくられ、会場の熱気が冷めやらぬなか、第二回コネクト ハッカソンは終了しました。

参加者の声 

Azureの様々な機能に触れたり、他の事業部の方々と交流したり、非常に刺激を受けることができる良いイベントでした。来年も参加したいので、それに向けて自身の技術力を上げておきたいと思います。
 
情報の吸収から開発までの能力が短期間で向上したほか、他事業部の人と交流したことで新しい情報も沢山得られました。また技術だけでなく良いプレゼンも見ることができた為、収穫がとても大きかったです。このイベントのよさを、職場をはじめ、周りの方に共有していきたいと思います。
 
今後自分が橋渡し役となり、R&D部門の自由な発想力とアジャイルな動き方を、自身が所属する事業部にも伝え広めたいと思いました。

運営事務局の声

R&D部門のポリシー “Think Big, Act First and Fail Fast Repeat above till success”
が書かれたTシャツを身に着けるハッカソン運営事務局の皆さん
(左上から、堀ノ内さん、福本さん、関さん、内山さん、中村さん、重松さん、栂瀬さん)

福本さん
参加者の皆さんには、失敗を恐れずにまずは手を動かして実装してみることの楽しさと大切さ(Fail fastとAct first)、そして、クラウドサービスやLLM、GitHub Copilotといった今日の技術者に必須の技術を実際に体験してもらうことで、トレンドの把握とイノベーションに対する危機感を持ってもらいたいと思いながら運営していました。
新入社員が他事業部の年長者やマネージャークラスの方と対等な技術者としてぺアプログラミング(2人のプログラマが1台のマシンを操作してプログラミングを行う手法)やブレーンストーミングを行うなど、年齢や性別を気にせず、1人の技術者としてチームメンバーが対等に助け合っている姿が印象的で、ダイバーシティの体現だと感じました。
技術面だけでなく、より心理的安全性の高い組織になるためのカルチャーを、ハッカソンを通じて醸成することができたのではないかと思います。

重松さん
普段の業務で使用しないツールを実際に使いながら学ぶことができ、スキルアップができたという声や、普段関わりのないメンバーと開発する中で、自身の不足している部分を再認識できたという参加者の皆さんの声を聞き、社内ではあれど、身の回りの環境から一歩外へ出た環境の中で開発をする経験が、各人に刺激や学びを与え、成長のきっかけになると強く感じました。
今後も、ハッカソンによって技術者のレベルが向上し、延いては事業貢献に繋がるということを社内に広く示すことで、ハッカソンの重要性を認知いただき、より多くの人に参加してもらえるようにアップデートしていきたいと思います。

中村さん

自身も一参加者としてハッカソンに参加しましたが、参加者の皆さんには、目の前の対応に追われがちな普段の業務ではなかなか味わえない、純粋にモノづくりを心の底から楽しめる経験をして頂きたいと思っていました。今後もこのイベントを継続していく中で経験者やクラウドのプロフェッショナルを育てていき、組織としてよりパワーアップできたらなと思います。
参加者の大半が若手の技術者でしたが、実際のプロジェクトでは技術者だけでは成り立たちません。今後は、企画、営業、マーケ等の非技術者の方や普段なかなか手を動かせないマネージャークラスの技術者の方にも参加して頂き、技術に触れてみる機会になればいいと思います。


「Think Big, Act First, and Fail Fast」のポリシーを持つパナソニック コネクトの技術研究開発本部。今回のハッカソンの取材を通して、そのカルチャーが着実に他の事業部門にも広がっていることが分かりました。
note編集部はこれからも、進化し続けるパナソニック コネクトの研究開発の現場をお届けして参ります!

パナソニック コネクトの研究開発の取り組みはこちら
研究開発(R&D) - パナソニックコネクト (panasonic.com)

コネクト ハッカソン 発表テーマ一覧

Smile Court ストレスフリーなフードコート利用をご提供
カメラを利用し、商業施設のフードコートのテーブル混雑状況をリアルタイムで可視化+食事完了後の利用時間が短い利用者にポイントを付与することで、長時間テーブルを占拠されてしまうという状況を減らし、回転率を上げる+ユーザーのストレスを減らす。
 
旅程作成サポートツール「TripTap」
候補スポットやルートを一つのマップ上で表示するなど、素早く旅のイメージを作成することで、会話が盛り上がったその場で旅行計画ができるアプリケーション。
 
Happy Team Maker
社内チャットの発言をChat GPTに評価してもらうことで、コンプライアンス違反を撲滅、より心理的安全性の高い職場の実現、褒め合う文化の醸成に貢献するシステム。10点満点でメッセージ内容を点数化し、ユーザーに対して点数の理由の提示や、改善アドバイスを行う。
 
買い物ナビゲーションアプリ
ユーザーが作りたい料理に必要な材料の提案と、店内におけるその材料(商品)の陳列場所の案内を行うアプリケーション。ユーザーにとっては買い物の効率化、新たな料理に挑戦しやすくなるというウェルビーイングの向上、店舗側にとっては商品の販売促進につながる。
 
Facili Master
アジェンダ作成やファシリテーション、議事録作成など、会議を総合的にサポートしてくれるシステム。会議を効率化し、効率化した後の状態を継続的に維持。会社全体の生産性向上、企業価値向上につなげる。
 
親と子供の絆アプリ ~TSUNAGU VOICE~
録音した子供の音声を分析することで保育士の代わりに日報を作成するアプリケーション。業務量が多く、負担が大きい職業であるために、園児に対する保育士の数が不足しているという社会課題解決に貢献。
 
姿勢推定アプリ Pint!
勤務中の自分の姿勢の状態を分析でき、姿勢が悪くなったタイミングでの通知や改善のためのアドバイスが届くアプリケーション。姿勢の悪さが原因で生じる肩こりや腰痛を低減させ、個人や企業の生産性の向上につなげる。
 
再配達を削減! -配送事前通知サービス Conemiさん
宅配サイトへの登録をしておらず、チャットやメールの通知手段がないユーザーにも、電話による自動音声で配送時刻を通知するシステム。配達日時を把握できなかったことが原因で宅配荷物の受け取りに失敗し、再配達を頼む人が多いという現状を改善。
 
社内改善・検索システム ~ ARE MO SIRITAI~ 
経費処理など、業務を進めるうえで知りたい社内情報を簡単に検索できる他、先進的な事例で業務革新を行っている他社との差分や改善方法を提示してくれることで、潜在的な課題への気づきや、新たな取り組みへのチャレンジに繋げられるアプリケーション。
 
ホームタスクウィザード
家庭内において、片方がマネジメント、片方がお手伝い、という立場になるからこそ家事育児分担の不公平感が生じてしまう点に着目し、スケジューリングやアサインといったマネジメントをAIに任せ、家族の負担を減らすアプリケーション。