見出し画像

「顧客起点」で考えるサービスデザインへの情熱と意欲

それぞれの働く現場でいきいきと活躍する社員を紹介する「Meet the CONNECTer」。今回ご登場いただくのは、デザイン&マーケティング本部にてサービスデザインを担当する栗野 正雄さんと中山 朋さんです。お二人が携わった「ロボット制御プラットフォーム」プロジェクトに関するエピソードを交えながら、デザインにかける思いや今後の展望など、さまざまなことをお話しいただきました。


栗野 正雄

大手電気機器メーカー勤務を経て、2023年パナソニック コネクトに入社。デザイン&マーケティング本部 デザイン統括部 第1エクスペリエンスデザイン部所属。技術研究開発に関わるプロジェクトを中心に、製品・サービスの事業化に向けたデザインを担当している。

中山 朋

2018年新卒でパナソニック コネクトに入社。デザイン&マーケティング本部 デザイン統括部 第1エクスペリエンスデザイン部所属。サービスデザイナーとして、物流業界や公共業界の現場に向けた製品・サービスのUXデザインを担当する。



良質な体験を提供するサービスデザイナーの仕事

編集部:栗野さんと中山さんはパナソニック コネクトのデザイン&マーケティング本部にて、サービスデザインをご担当されています。デザイン&マーケティング本部の活動やサービスデザイナーが担う業務について教えてください。
 
栗野:デザイン&マーケティング本部は「顧客起点」の活動を重視しており、企業活動のあらゆる顧客接点におけるデザインとマーケティングを担うとともに、顧客起点のビジネス戦略、製品・サービス開発、コミュニケーションの実践を行なっています。フィールドはサプライチェーン、公共サービス、生活インフラ、エンターテインメントなど多岐にわたり、デザインに携わるメンバーの職能もUI・UXデザイン、サービスデザイン、プロダクトデザイン、コミュニケーションデザインなど、製品・サービス開発の上流から下流まで幅広いですね。

中山:中でも私たちサービスデザイナーの仕事は、顧客起点で物事を考え、製品やサービスを通じてより良い体験価値をデザインしていくこと。さらに「現場を理解したデザイン」の実践が、パナソニック コネクトのサービスデザインの特徴のひとつだと感じています。

左から栗野さん、中山さん


編集部:お二人のバックグラウンドについてお聞かせください。
 
栗野:私は幼い頃からモノづくりが好きで、工業デザイナーを志すようになりました。進学した大学のデザイン工学科ではデザインを広範囲に学び、多くの人の手に触れられるものがデザインしたいと、卒業後は大手電気機器メーカーに就職しました。そこで家電のプロダクトデザインやUI・UXデザインなどを経験し、ボーダレスに体験をデザインできるUI・UXデザインやサービスデザインへの関心が高まっていきました。パナソニック コネクトへキャリア採用で入社したのは2023年。大企業でありながら、ベンチャー起業のようなスピード感や変化・挑戦を楽しむマインドをもつ企業姿勢に、強く惹かれました。

中山:私も栗野さんと同じようにずっと何かをつくることが好きで、大学では芸術工学部を専攻していました。そこで芸術と工学、両側面のアプローチからデザインを学んだのですが、とある授業で製品のデザインを発表した際、先生から「モノに落とし込もうとしているね」と講評をいただいたんです。その言葉が妙に腑に落ちて、デザインのアウトプットは必ずしも形あるモノにとらわれる必要はないんだと、自分の視野が広がった感覚がありました。パナソニック コネクトへの就職は、広い視野でいろいろな業務にチャレンジできそうだな、と感じたサービスデザイナーの募集があったことがきっかけです。ここでプロフェッショナルな現場で働く方々を支える、モノにとらわれないソリューションやサービスなどのデザインをしていきたいと思い、2018年に新卒入社しました。

技術者と協業したロボット制御プラットフォーム

編集部:2024年3月、パナソニック コネクトはロボット制御技術とセンシング技術、AI技術を組み合わせて一元制御する、ロボット制御プラットフォームの開発を発表しました。このプロジェクトにはお二人とも携わられたそうですね。

中山:はい。私はターゲットユーザーや業務プロセスの現状調査と整理、UI・UXのコンセプト検討とデザインなどを行なってきました。ロボット制御プラットフォームは「柔軟性」を特徴としており、ハードウェアのメーカーを問わず統合制御できるうえ、運用後もロボット専門業者を介さずに現場作業者が容易に設定変更できるUIを備えたプラットフォームです。サービスデザイナーとして意識したのは、システムに精通していない方でもロボットのピッキング動作等の設定を変更できる、UI・UXを構築することでした。
 
栗野:入社したときにはすでにプロジェクトが進んでいたため、私は途中から参画しました。役割としてはサービス全体をデザインの立場から俯瞰する目線で携わり、コネクトロボティクスコンセプトや現場、経営、それぞれのユーザー視点での提供価値整理・可視化などを行なっていきました。


編集部:プロジェクトはパナソニック コネクト R&D(研究開発)部門の技術者と協業になったのかと思うのですが、印象的な出来事はありますか。
 
栗野:技術者チームとは密なコミュニケーションをとりながら開発を進め、お互いに理解し合える関係性を築くことができたと感じています。一緒に導入が想定されるような倉庫へ赴き、現場の状況やユーザーの実態をリサーチしたことも印象に残っています。また、技術者チームはソフトウェア開発のアップデートも早く、そのスピード感にも驚きました。そこには私たちも影響を受けましたし、自分たちもどんどん変えていくぞという姿勢でいたように思います。
 
中山:技術者チームとデザインチームの二人三脚でしたよね。私たちもユーザーの体験の流れや画面デザインのたたき台を高速でつくるなど、技術者チームとの間にすれ違いが生じないよう意識していました。考えを可視化したものがあれば、話し合いも空中戦にならずに済みますので。
 
栗野:新しいソリューションの創出から実装につながるまでの歩み、現場を体感する重要性、サプライチェーンの奥深さ、社内のメンバーとの共創がもたらすパワー、並走する中でのデザインの役割の多様化など、非常に学びの多いプロジェクトとなりました。

デザイン領域が多様化する中で大切にしていること

編集部:ロボット制御プラットフォームのほかに、ご担当されたプロジェクトについてお聞かせください。
 
栗野:携わったプロジェクトはまだ少ないのですが、鉄道駅に導入予定のウォークスルー型 顔認証改札機関連のUI・UXデザインの仕事はとくにおもしろかったです。生活の中で実際に利用している公共交通機関のプロダクトやソリューションを担当でき、プロジェクトの醍醐味を肌で感じました。
 
中山:私はこれまで公共・自治体のお客様向けシステムのUI・UXデザインをはじめ、製品・サービスのネーミング開発、提案のための資料・動画制作(法人向けPCサブスクリプションサービス「スリムワークサポート」など)、デザイン部門独自の未来洞察活動など、多種多様な業務に携わってきました。肩書きは「サービスデザイナー」ですが、いろいろなことに興味が湧く性格のためさまざまな業務を担当できるのはすごく楽しいですね。

栗野:年々、デザイナーの仕事の領域は多様化している中で、中山さんはどんな領域や分野の仕事でも上手にまとめ上げている印象があります。役割が多様化しているデザインの領域において、きっと一つひとつの仕事の中で、自身が「おもしろい」と感じられる要素を見つけられるのでしょう。中山さんは今後ますます多様化するであろうデザインの領域で、サービスデザイナーのロールモデルとなる人材になっていかれるはずだと期待しています。
 
中山:ありがとうございます。サービスデザインは比較的新しい手法でもありますしね。栗野さんからそのように言っていただけてとても嬉しいですし、ロールモデルになっていけるよう頑張りたいなと思います。
 
編集部:お仕事をするうえで心がけていることは何ですか。
 
中山:プロジェクトやお客様の業務プロセスにおける全体像の把握を意識しています。お客様やユーザーの方々が総合的に良い体験を受け取るためには、部分的な改善では本質的な課題解決につながらない場合があると思います。ユーザーのニーズを明確にとらえ、プロジェクト全体を見わたしながら、課題の発見から解決へつながる打ち手を考えていくように努めています。
 
また、モヤモヤすることは紙に書いて整理することが多いです。むしろ紙でないと、考えがまとまらないというか。複雑に絡み合うものを解きほぐすような仕事が多いのですが、書き出すことでモヤモヤしていたものもクリアになる気がしています。
 
栗野:私も複雑化していることや抽象的なことは、まず可視化して考えを整理するのですが、自分の場合は手書きではなくデジタルが多いです。打ち込むことで、頭の中が整理整頓されていくイメージですね。私が仕事に取り組むうえで意識しているのは「バランス感」。技術と事業、現実と理想、具体と抽象など、どちらかに偏りすぎないようそれぞれを理解し、バランスを取るようにしています。

向上心の高いメンバーとともに成長を続けていく

編集部:パナソニック コネクトはお二人にとってどのような職場でしょうか。
 
栗野:入社前に「パナソニック コネクトは大企業感とベンチャー企業感の良さを両立している」と感じましたが、実際にその印象通りでした。社内には深い知見と成長意欲をもったメンバーが多く、そういった方々と一緒に仕事ができるのもパナソニック コネクトの魅力だと感じています。
 
中山:パナソニックの100年以上にわたる歴史の中で培ってきた実績と信頼は、企業としての大きな強みになっていると思います。さらに樋口CEO主導のもと、新しいことにチャレンジしていこうという勢いと、ポジティブな変化を受け入れる空気が会社全体に広がりつつある。勤務形態は「Work Anywhere制度」によって在宅と出社を使い分けられますし、メンバーも優しい方ばかりなので、とても働きやすい環境です。

 
編集部:お二人とも休日はゆっくり過ごせていますか。

栗野:そうですね、ジムでの運動、読書、サイクリング、友人との食事など、のんびり過ごしています。休日に限った話ではありませんが、エンジニアや学者の方々が技術や学問について雑談的に話を展開する、ポッドキャストの番組もよく聴いています。
 
中山:ポッドキャストやラジオは私もよく聴いています。あと最近はスタジアムへ野球を観に行くことも多いですね。たまに近所の公園でキャッチボールをしたりもしています。

 
編集部:最後に、今後の展望についてお聞かせください。

栗野:デザインの領域が広がり、多様化する中において、「柔軟さとは何か」という問いを自らに投げかけ、その答えを現場、組織、自分自身に活かしていきたいですね。あとは今年度からマネジメントを担う機会が増えてきたので、素敵なチームをつくりたいなと。メンバーの個性を活かし、それぞれが実力を発揮でき、みんなが楽しく仕事に取り組める環境を整えていけるマネージャーを目指します。
 
中山:栗野さんは入社初日から「在籍5年目かな?」と感じるくらい職場に馴染まれていた印象です。すごく相談しやすいマネージャーですし、チームの雰囲気もとてもいい。いつも感謝しています。
 
栗野:中山さんを含めたメンバーのみんなが、前向きで、コミュニケーション能力が高く、優秀ですので。こちらこそいつもありがとうございます(笑)
 
中山:私は現場をもっとも知るデザイナーになりたいと思っています。そのためにも、さまざまな現場を訪れて知見と学びを深め、引き出しを増やしていかなければなりません。社会実装につながるUI・UXデザインの好事例をたくさんつくり、世の中により良いかたちで浸透させていきたいです。

▶パナソニック コネクトの人をもっと知りたい方は 公式採用サイト


この記事が参加している募集