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他者の痛みに想いを巡らすきっかけに―生理痛体験会 参加レポート―

皆さん、こんにちは! パナソニック コネクト、From the Inside編集部です。
パナソニック コネクトの取り組みを内側からレポートする当シリーズ。
今回は、2023年10月11日に社内向けに実施された、生理痛体験会の様子をお届けします。

一人ひとりが、イキイキと働きながら自分らしさを活かし、能力を最大限に発揮できるよう、何をおいても妥協できない人権課題として「DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」に取り組んでいる当社。
2017年より様々なDEI推進の取り組みを進めてきましたが、今年は新たな試みとして10月をコネクトDEI Monthと定め、セミナーや体験会など、DEIに関するイベントを集中的に実施し、CONNECTer(パナソニック コネクト社員)一人ひとりが様々なDEIに触れあえる月間としていました。

そんなDEI Monthの活動の一つとして実施された当体験会。大阪ヒートクール株式会社様(以降、大阪ヒートクール様)を講師としてお迎えし、役員5名を含んだ約50名のCONNECTerが参加しました。参加上限いっぱいの人数が参加したことからも、社内の関心の高さが伺えます!

生理痛VR体験デバイス「ピリオノイド」

筋電気刺激(EMS)を用いることで月経時に生じる腹部の痛みを段階的に体験できるVR装置、ピリオノイド。
この機器を通して生理痛を擬似体験し、男性はもちろん、個人差があるため同じ女性でも理解しづらい生理痛(月経痛)の苦しみを理解しあうキッカケ作りを、大阪ヒートクール様は、研修という形で様々な企業や団体に提供されています。
体験会当日は、ピリオノイドによる月経痛体験だけでなく、生理痛の基本知識を学ぶ講義やグループワークショップを通して、「他者の痛み」に想いを巡らせる機会を提供いただきました。

当体験会の意図が女性の健康に関するリテラシー向上である旨が共有されたうえで、女性の健康に向き合うことがなぜ企業にとって有益なのかという話や、そもそも生理とはどんな現象なのかという説明から体験会はスタート。

女性従業員の2人に1人が女性特有の健康課題によって職場で困った経験があるというデータがあり、女性の健康課題によって社会全体で生じている労働損失額はなんと4,911億円と言われているそう。
一方で、女性活躍推進を取り入れている企業は経営指標が良く、株式市場での評価も高い傾向にあるとのこと。社内リテラシーの向上や相談窓口の設置といった働きやすい環境の整備が、従業員の定着率アップや生産性向上に繋がり、そのような傾向を生むそうです。

続いて生理の現象についての説明に進み、生理によって、腹痛だけではなく、人によっては眠気や腰痛、疲れやすさ、といった症状が生じることや、生理期間中だけでなく、その前後の期間においても月経前症候群(PMS)として症状が起こるということが紹介されました。

生理に関する基礎知識を学んだところで、いよいよ、ピリオノイドによる月経痛体験です!

参加者が電極パッドを自身の下腹部に装着し、講師の方がコードをピリオノイドに繋ぐと、下腹部に電気刺激が走ります。個人差やコンディションによって痛みが異なる生理痛をリアルに感じられるよう、ピリオノイドの刺激は「弱」「中」「強」の三段階で設定できましたが、想定外の痛さに「弱」の段階で顔をしかめる人や、思わず声を上げてしまう人も。
「ほんとにこの痛みが一日中続くの!?」「この状態で会議なんて絶対に無理だ」という苦痛の声が飛び交います。

女性の参加者のなかには、自身の普段の生理痛よりも痛みを感じたことから、自分は比較的生理痛が軽いのだと気づいた、という人もいました。
「生理痛が重めの友人がいますが、ここまで苦しんでいるとは。女性同士でもこんなに違うことに気が付けて良かったです」

身をもって痛みを知ったことで、「薬を飲んだらどの程度この痛みが落ち着くのでしょうか」「生理期間中、女性はこの痛みをずっと感じるのでしょうか」と、体験後に積極的に講師の方に質問し、より理解を深めようとする参加者も多く見られました。

ワークショップでは、女性特有の健康課題に限らず、アレルギーや頭痛といった様々な症状が書かれている「痛みカード」と、テクノロジーや時間といった、痛みを解消するための糸口が書かれている「対策カード」を組み合わせて、「このような痛みを感じている人がいる場合、どのような手段で対策できそうか」をグループに分かれて話し合いました。

「どう辛いのか、自分ならどうして欲しいか」と想像力を巡らせながら、「予防策を考えるべきか、対症療法を考えるべきか」といった観点で対応方法や、「会社に何があればよいのか、どうしたら使いやすいのか」といった観点で環境や制度について真剣に話し合う皆さん。共感できるアイデアがひらめいた時など、思わず皆が笑顔になる瞬間も。

グループディスカッションの最後には、それぞれのグループ内でまとまった考えを全体で共有する時間が。
「それぞれが抱えている様々な種類の痛みを、テクノロジーで見える化することによって、お互いに想い合い、許容しやすくなるのでは」といったアイデアや、「体調が悪い人が一定時間働いたら、休息を促すアラームが鳴るようにしたら、本人も休憩を取りやすくなるのではないか」といったアイデアなど、痛みを抱えているけれど周囲に伝えづらい人に寄り添った意見が多くみられました。

体験会後、参加者の皆さんに参加の理由や感想を聞きました。

「女性の部下もいるので、自身で体験して少しでも理解を深め、職場で発信したいと思って参加しました」という人や、「もともと、辛いんだな、大変なんだなとは思っていたけれど、男性の自分には実際の痛みが分からないことをもどかしく感じていたので、良い機会だと思いました」というように、少しでも寄り添い、痛みを理解したいという気持ちで参加した人が多いようです。
なかには「だいぶ昔の話ですが、女性の部下に生理休暇を申請された際、びっくりしてしまった自分自身に驚いたことがあり、このままではいけない、理解をしたうえで手を差し伸べなければいけない、とずっと思っていたんです」という人も。

実際に参加した感想としては、皆さん口をそろえて、「想像していた以上に痛くて驚いた。やっぱり一度体験してみるということは本当に重要だなと実感した」とのこと。女性の家族や同僚が生理痛によって通学・通勤できない理由が良く分かった、と話してくれました。

「生理という事象は知っていましたが、男性の自分はあまり口を出すべきでないと思って、今まで妻と娘に対して充分に気を遣えていなかったかなと思います。今後も、自分から生理について話題にするということは難しいと思いますが、今回自身で痛みを知ったことが良いきっかけとなって、思いやりをもって接することができるようになると思います」

大鉢さん(左) 油田さん(中央)  片山さん(右)

最後に、今回の体験会の運用メンバーにも話を聞くことが出来ました!

「当社では、生理休暇の名称を『たんぽぽ休』に変更することで申請者のハードルを下げるといったように、様々な取組を行ってきていますが、男性の割合が多いこともあり、生理について自分事化して考えることのできる機会がまだまだ少ないなと思い、今回の体験会を企画しました」と話すのはDEI推進室 シニアマネージャーの油田さん。
「今回参加された皆さんには、ぜひそれぞれの職場や部門で、この経験によって自分の考えがどう変わったかを共有してもらえたら嬉しいです。もちろん、参加していない人は痛みの体験そのものは出来ないけれど、自分が今まで想像していなかったものを体感したという経験を伝えることで、想像力を働かせるということの大切さを皆で共有出来るのではないかなと思います」

DEI推進室と事業場人事を兼任している大鉢さんは、「生理痛は個人によって全然感じ方が違うので、もしかしたら女性同士のほうがお互いの痛みが見えづらいかもしれません。女性がそれを体験できるという意味でも、貴重な機会だと思います」と話してくれました。
「人によって生理について触れてほしい人、触れてほしくない人がいると思うので、それぞれがどういったケアを求めているのかを、普段のコミュニケーションのなかで予め確認しておくのも、お互いを理解し合うための一つの方法かなと思います」

今回の体験会を、自分が経験したことのない痛みに気づき、配慮する第一歩にしてもらえたら、と話すのは、同じくDEI推進室と事業場人事を兼任している片山さん。
「生理痛以外にも、自分が想像のつかないような痛みを抱えている人がたくさんいると思います。彼、もしくは彼女にはそれぞれの痛みがあって、いま大変な状況なのかもしれない、というように相手の立場に立って想いを巡らせ、思いやることのきっかけに、今回の体験会がなれば良いなと思います」


痛みそのもの以上に、生理痛に限らず、一人ひとりに痛みの違いがあるということに改めて気づくことが出来たのが、今回の大きな学びかもしれません。
油田さんが話していたように、当日参加できなかった人にも、この経験を伝えることで、想像力を働かせることの大切さを共有できるはず。
この記事もその一助になれば幸いです。

【パナソニック コネクトのDEIの取り組み全容はこちら】
Diversity, Equity & Inclusion - パナソニック コネクト (panasonic.com)

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