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誰もが同じ土俵で参加し、笑顔と応援が飛び交う場―第35回 岡山吉備高原 車いすふれあいロードレース大会 参加レポート―

皆さん、こんにちは! パナソニック コネクト、From the Inside編集部です。
パナソニック コネクトの取り組みを内側からレポートする当シリーズ。
今回は、2023年10月8日に開催された、第35回 岡山吉備高原 車いすふれあいロードレース大会の様子をお届けします。

当社の特例子会社であり、AV関連部品や完成品組立加工の製造、IT関連オペレーション業務を担当している、パナソニック吉備 株式会社(以下、パナソニック吉備)が大会実行委員を務め、ボランティアや選手としても参加した当大会。
パナソニック コネクトとしても、今年10月をコネクトDEI Monthと定め、DEIに関するイベントを集中的に実施することでCONNECTer(パナソニック コネクト社員)一人ひとりが様々なDEIに触れあえる月間としていますが、当大会は35年間、毎年10月に実施され、DEI活動として長い歴史を持っています。
今年は全国から約1,350人の選手が出場し、ハーフ、10km、3kmの三種目で、車いすランナーと一般ランナーが同じコースを走りました!

前日の7日には開会式が実施され、開会宣言や選手宣誓が行われた他、大会の発展に情熱を注いだ故寬仁親王殿下の長女、彬子女王殿下のご挨拶や、特別招待選手の佐々 勤さん、吉川 美香さんのスピーチが。

大会組織の副会長として参加した、当社の執行役員 ヴァイス・プレジデントの新家 伸浩さん(CHRO)が、彬子女王殿下、吉川さんと談笑するシーンもありました。

8日のレース当日は、選手約1,350人に加え、応援に駆け付けた人々やメディアで大賑わい!大会運営委員やボランティアの皆さんは朝早くから現場を駆け回っていました。

ボランティアで受付を担当していたパナソニック吉備の三宅さん。
普段はITデジタル業務を担当しており、パナソニック吉備に入社以来、毎年このロードレースにボランティアとして参加しているそうです。
「車いすランナーと一般ランナーが一緒に走るこの大会を、自分も支えることができていること、力になれていることが嬉しいです。やりたいという気持ちがあっても一人だったら行動に移すのは難しかったかもしれないですが、職場 (パナソニック吉備)がとても仲が良いので、職場の皆と一緒に出来るということも励みになって毎年欠かさず参加しています。とてもやりがいを感じるので、これからもずっと続けていきたいです!」

続いて、レース出場前の選手を直撃!
普段はパナソニック吉備の製造部でRoHS検査業務を担当しながら、パラカヌー選手としてもご活躍の山田さん。カヌーで鍛えたスキルをこのマラソン大会でも活かし、今年も好成績を狙います。
「毎年9月頃になると、ボランティアとして参加する社員も、選手として参加する社員も、パナソニック吉備全体で大会に向けて盛り上がってくるので、『今年もこの季節がやってきたな』と気分が高揚しますね。
私はカヌーを専門としていますが、様々なスポーツイベントに参加して、パラスポーツへの興味や発展に貢献できればと思っているので、来年以降もこの大会に選手として参加していきたいです」

そして、いよいよレース本番。
10kmの部門では新家さんがスターターを務め、新家さんの合図で選手が一斉に飛び出しました!

車いすランナーが一気に坂を駆け下りていく様子は、あまりのスピードにシャッターを切るのも困難なほど。
風を切る音が爽快に響き、オーディエンスからはどよめきが起こりました。

逆に上り坂では、一般ランナーが車いすランナーを追い越すシーンもあり、沿道からは両者への声援が止みません。

ロンドンオリンピックの日本代表経験があり、現在はパナソニック女子陸上競技部「パナソニックエンジェルス」のコーチをされている吉川 美香さん。
特別招待選手としてレースに参加されているところ、お話を伺うことが出来ました。
「去年初めて参加させていただいて、今回が二回目です。現役の時は選手として声援を掛けてもらうばかりでしたが、車いすランナーと一般ランナーが一緒に走るからこそ、声を掛け合ってお互いに応援し、一緒にゴールを喜べる、というのがこのレースの魅力ですね。
一般ランナーは登りが得意な分、下りは車いすランナーに追いつけないですが、車いすランナーの方とお話しする中で、得意の下りのコースの中にも戦術や攻略法があるということを教えていただいたんです。そういった、今まで知らなかったことを知ることが出来るという意味でも貴重な機会になっています」

「走っている方々の楽しそうな姿を見ていると、DEIそのものだと感じます。車いすランナーも一般ランナーも同じ土俵に乗りながら、皆でレースを楽しむ。この雰囲気を、もっと多くのCONNECTer(パナソニック コネクト社員)の皆さんにも知ってもらえたらと思います」と語ったのは、スターターの任務を終えた新家さん。

「パナソニック吉備では、もう何十年も、障がいのある方とない方が一緒に働いていますが、パナソニック コネクトグループ全体としても、もっともっと、障がい者と健常者、性別、人種といった様々な属性に囚われずに皆が一緒に仕事をして、共にパーパスを達成するということをしていけたらと思います。そのために、誰もがいきいきと働ける環境づくりや、お互いを知る活動を増やしていきたいですし、このロードレースについても、これからもパナソニック コネクトとして、パナソニック吉備と共に支援していきたいです」

障がいのある方とない方が半々の割合で働いているパナソニック吉備。
「それが私たちにとって当たり前の日常なので、DEIと聞いても、実はあまりピンとこないんですよ」
ボランティアとして大会に参加していた、パナソニック吉備 製造部の難波さんの言葉がとても印象に残りました。
「ずっと一緒に仕事をしていると、障がい者や健常者といった区別がなくなってくるんです。一対一の個人として向き合い、それぞれの特性、特徴として相手を受け止めているから、パナソニック吉備の社員は、そこの区別を普段意識することがないんです。世の中も、そういった区別がなくなってフラットになっていけば良いなと思いますし、そういう意味では、パナソニック吉備が参考になっていけたら良いなと思いますね」

私たちは障がいをハードルだと思っていないんです、と難波さんは微笑みました。
「それぞれに出来ることと出来ないことがありますが、出来ないことにはそれを補う人がいたり、工程を工夫すれば対応できたりする。出来ないことを補う方法は、物理的にも、コミュニケーション的にも、いくらでもあると思うんです」


DEIを特別意識せずとも、同じ土俵で様々な人が自然に入り混じり、それぞれが活躍している空間。それこそが本当の意味でのDEIだと肌で感じた取材でした。
ロードレースやパナソニック吉備で実現されているその空間は、パナソニック コネクトの他の拠点が、真似しようと思って簡単に真似できるものではないかもしれません。
けれど、ロードレースやパナソニック吉備のリアルな声や空気感を、より多くの人々が知ることで、それぞれの職場や現場を見つめる自身の視線が、少しずつ変わっていけたら良いなと思います。

【パナソニック コネクトのDEIの取り組み全容はこちら】
Diversity, Equity & Inclusion - パナソニック コネクト (panasonic.com)