流通・物流業界の未来を照らす次世代のリーダー
それぞれの働く現場でいきいきと活躍する社員を紹介する「Meet the CONNECTer」。今回ご登場いただくのは、大学院で有機化学を専攻しながらも、システムエンジニアとしてキャリアをスタートした神岡美咲さんです。キャリア選択の背景にあったのは、学生時代から抱いていた「働く人の負担を減らすソリューションをつくりたい」という思い。パナソニック コネクトでキャリアビジョンを実現する神岡さんに迫ります。
神岡美咲
九州大学在学中にアメリカへ留学。同大学院修了後の2020年、パナソニック株式会社コネクティッドソリューションズ社(現・パナソニック コネクト)へ入社。イノベーションセンター インキュベーション統括部 システム開発部の配属となり、顔認証バス実証実験のデータ分析や観光DXプロジェクトにおけるダイナミックプライシング技術の開発を担当。2022年〜2024年3月まで彩都パーツセンターでの充填率計測プロジェクトのソフト開発、データ活用検討を推進。現在は小売店を利用するユーザーを対象としたアプリケーションの開発を行っている。
パナソニック コネクトは夢を実現できる場所
編集部:神岡さんは大学・大学院で有機化学を専攻されていたそうですね。なぜ有機化学の世界とは無縁とも思えるシステムエンジニア(SE)として、パナソニック コネクトで働くことを決められたのでしょうか。
神岡:私は学生時代から「将来は働く人の負担を減らすものがつくりたい」と考えていました。きっかけは、海外で出稼ぎ労働者の方々が低賃金かつ長時間働いている様子を目の当たりにしたことです。日本においても、小売店に勤務する友人は、「人手不足のため労働時間が長く、品出しなど体力を消耗する業務が多いので大変だ」と悩んでいる。流通や物流、販売店での業務を効率化できれば、過酷な労働環境や働く方々の生活を改善できるのではないか、と思うようになりました。
入社を決めたのは、パナソニック コネクトが提案する「現場のプロセスを改革する」という考え方に共感したからです。多様な「現場」をAIやソフトウェア、IoTでサイバー空間とフィジカル空間をつないで課題解決に取り組み、お客さまとの「共創」によってソリューションを構築するというビジネスの在り方は、私のやりたいことと非常に近い。パナソニック コネクトならば夢が実現できるはずだと感じました。それにソフトウェア開発にはもともと興味があって。高校や大学の授業で学んだプログラミングがとてもおもしろく、性に合っているなと感じていました。
編集部:SEとしての技術はどのようにして習得されてきましたか。
神岡:入社時の段階でスキル不足の自覚はありました。しかしパナソニックグループは私のようにバックグラウンドが異なる人材であっても、安心して業務に取り組める教育体制が整っています。さまざまな研修や実務経験を通じ、SEとしての心構えはもちろん、要件定義からソフトウェアの設計、開発まで一から勉強をさせてもらうことができました。
以降は日々勉強ですね。意識している点は2つ。1つめは、分からないことを分からないままにしておかないこと。チームのメンバーに質問したり、自分でいろいろ調べてみたり、疑問が生じたらなるべく早く解消させるようにしています。2つめは、スキルアップのために資格を取得すること。基本情報処理技術者の資格取得からはじまり、今はクラウドコンピューティングの認定資格の学習を進めています。
流通・物流業界の現場の課題を解決する技術の力
編集部:これまで携わってきた業務の中で、特に印象的なプロジェクトについて教えてください。
神岡:パナソニック コネクト製品の修理用部品の供給拠点、「彩都サービスパーツセンター」における充填率計測プロジェクトです。このプロジェクトでは倉庫を効率よく活用するためのソリューションを開発してきました。具体的にはセンシング技術を用いて、倉庫の各棚にどれくらい空きスペースがあるのか、各棚の充填率を計測・数値化および可視化(注1)によって、倉庫の空きスペースを管理者や作業者が把握し、ムダなく使うことで、複数の倉庫を使用する必要がなくなり、ピッキングがしやすく、迅速な出荷につながるという仕組みです。
注1:7件 特許出願済。うち2件の発明者 神岡。
彩都サービスパーツセンターの供給地域は世界26か国。約12万品番のストックを有し、月間約3万件の出荷を行っているので、スピーディーな出荷が求められます。効率的に倉庫が利用できれば、ロスタイムやロスコストの削減に加え、現場で働く方々の労力も減らせるはずです。彩都サービスパーツセンターは新しいソリューションの実証実験を行う場でもあるため、今後の取り組みにもぜひご期待ください。
編集部:神岡さんが「改善したい」と考える流通・物流業界の課題はありますか。
神岡:宅配便の再配達問題です。私たちの生活にも直結する問題ですから、かねてより早急な対策が必要だと感じていました。そのような背景もあって、2023年に参加した「第2回パナソニック コネクト ハッカソン」では、再配達を題材にしました。
パナソニック コネクト ハッカソンは有志参加によって集まった社員が6名のチームを組み、企画からアーキテクチャ検討、インプリメントまでを実施して、順位を競う社内イベントです。パナソニック コネクトの事業領域を踏まえ、「会社・個人の働きやすさの改善」と「より良い暮らしの実現に向けた社会課題の解決」をテーマに、各チームが自由な発想でアイディアを具現化していきました。
私たちのチームが開発したのは「再配達を削減! -配送事前通知サービス Conemiさん」です。「ChatGPT」を活用した自動音声で荷物の送付先へ電話をかけ、配送時刻を通知。受け取り日時の変更があれば、電話越しに希望日時を声で伝えると変更が完了する、というシステムです。宅配サイトへ登録していてもメールやLINE等の事前通知に気がつかないユーザーもいますから、あえて「電話」というアナログな手段で通知することで、再配達を減らせるのではないかと考えました。
審査員からは、「デモ完成度が高く、課題解決につながっている。ありそうでなかった着眼点も素晴らしい」と評価していただき、私たちのチームは最優秀賞を受賞。ハッカソンへの参加は初めてでしたが、メンバー全員が積極的に意見を出し合えるチームの推進力の強さを肌で感じ、大きな学びを得た経験となりました。
人とテクノロジーが共創する未来を目指して
編集部:神岡さんが思い描く流通・物流業界の理想的な未来とは?
神岡:学生時代からずっと考えているものの、まだ正解が見えていないというのが正直なところです。どこを自動化して、どこを人が担うのか、どこがベストなバランスなのかなと。私個人としては、すべてを自動化することには疑問を感じています。たとえば小売店が全自動になったとして、働く方々の肉体的な負担は大きく減る反面、店員さんとの触れ合いがまったくないお店に、独自の魅力があるのかなと思うんですね。同じような商品が並ぶのであれば、そのお店である必要がなくなってくるでしょうし、高い顧客満足度が得られるのかも分かりません。
だからこそお客さまのニーズをしっかりと捉え、現場の方々の業務内容を深く理解し、同じ目線で考えられることが大事だと考えています。パナソニック コネクトで、人とテクノロジーが共創できる最適な未来を見つけていきたいですね。
編集部:パナソニック コネクトは神岡さんにとってどんな職場ですか。
神岡:とても働きやすい環境ですね。若手社員であっても裁量権のある仕事を任せてくれますし、「私にやらせてください」と手を挙げたことに対しても後押ししてくれる風土が根付いています。パナソニック コネクトは社員一人ひとりのキャリアオーナーシップを尊重してくれる会社だなと、ことあるごとに感じています。
また、10日以上の長期休暇を好きなタイミングで取得できる「コネクトオールシーズン休暇」や、2日間の特別休暇「コネクターズチャレンジホリデー」をはじめ、休み方の制度が充実しているのも嬉しいですね。2024年度はコネクトオールシーズン休暇を利用し、夏休みシーズン前にイタリア旅行ができたので、とてもリフレッシュできました。
編集部:今後のキャリアプランについてお聞かせください。
神岡:「働く人の負担を減らすものがつくりたい」という想いは、もちろん今も変わりません。お客さまとともに業務内の課題と向き合い、解決へ導くソリューションを開発していきたい。そのためにも、しばらくの間は技術と知識と経験を蓄積する時期だと思っています。私の強みは新しいことにも、臆せずにチャレンジをするところ。キャリアのスタートからこれまで、すべてが挑戦の連続でしたが、楽しみながら取り組むことができました。そして近い将来、アメリカでの留学経験も活かしながら、国内外で活躍できるリーダーとして成長していきたいと考えています。
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